中学受験に取り組むお子さんを前に、こんな不安を感じたことはありませんか?
- 何度も読んでるのに、すぐ忘れてしまう
- ノートに線は引いているけど、頭に入っている気がしない
- やる気がなさそうで、全然集中していない…
実はこれ、子どもに合っていない勉強法を続けているせいかもしれません。
私も小学3年生の息子を育てる中で、同じような悩みを抱えていました。そんなとき出会ったのが、安川康介さんの著書『科学的根拠に基づく 最高の勉強法』です。
この記事では、この本で紹介されている“科学的に効果の高い勉強法”の中から中学受験に活用しやすい学習法を厳選し、家庭での具体的な取り入れ方を紹介します。
なぜ「科学的な勉強法」が重要なのか?
中学受験は、限られた時間の中で膨大な量の知識を身につける必要があります。そのためには、「効率よく記憶に残す方法」「やる気を自然に引き出す方法」が不可欠です。
本書で取り上げられている学習法は、数百本以上の学術論文に基づいた“実証済み”の方法。経験や勘ではなく、科学的根拠に裏打ちされた学習スタイルだからこそ、信頼できるのです。
中学受験に効く!科学的に「効果が高い」学習法ベスト2
1. アクティブリコール(積極的想起)
覚えるのではなく「思い出す」ことで記憶を強化する手法
例:教科書を読んだあと、自分の言葉で説明する/問題を解いた後に答えを見ずに再現する
2. 分散学習(間隔反復)
短時間ずつ・間隔を空けて繰り返すことで記憶が長期保持される
例:同じ内容を1日に集中してやるより、数日に分けて取り組むほうが効果的
そのほかにも効果的な学習法
- 精緻的説明:学んだ内容を他の知識と関連づけて覚える
- 自己説明:解答に至る過程を自分に説明してみる
- アクティブ効果:書く・話す・図を描くなど、手を動かすことで記憶が定着
- インターリービング:教科や単元を混ぜて学ぶことで応用力がアップ
実は“あまり効果がない”学習法も…
- ただ繰り返し読むだけ
- 要約・ハイライト(やり方によっては非効率)
線を引く、マーカーを使う、何度も読み返す…私たち親世代にとっては馴染み深い方法ですが、記憶の定着にはそれほど効果的ではないという研究もあります。
家庭学習での具体的な活用法【実践例】
塾の復習は“その日のうちに説明”させる
「今日の授業、どんなことを習った?」と聞くだけでOK
→ アクティブリコール+自己説明の効果
問題の解き直しは“少し間を空けてから”
間違えた問題をピックアップし、日を空けてもう一度解かせる
→ 分散学習+インターリービングを意識
暗記科目はクイズ形式に
理科・社会は会話形式で「じゃあ、○○だったら?」と問いかけ
→ 精緻的説明+アクティブリコールで楽しく記憶定着
“親がやりすぎない”ことが、いちばん大事かも
つい手を出したくなってしまいますが、子どもが自分で考え・思い出す時間こそが記憶を深めるチャンスです。
ヒントを出すのも我慢して、子どものアウトプットを待つように意識しています。
学ぶ楽しさが、少しずつ習慣に
最初は「うちの子に難しいかも…」と思いましたが、意外と楽しそうに取り組んでくれる場面が増えました。
- クイズ形式の復習を「もう1問やって!」とせがむ
- 自分なりの言葉で説明しようと工夫する姿が見える
- 「忘れても思い出せばいいんだ」と学習への抵抗感が減る
「覚える→忘れる→思い出す→定着する」というサイクルが少しずつ根づいてきたと感じます。
親も「勉強法」を学ぶ時代へ
私たちが子どもの頃の常識は、今や非常識かもしれません。
科学的な根拠に基づいた「効率的で楽しい学び方」を知ることは、子どもだけでなく、親にとっても大きな学びになります。
中学受験を通じて、「学び方を学ぶ力」も育てていくことが、これからの時代にはますます大切になってくるはずです。
まとめ:中学受験を“学びの土台づくり”に
- アクティブリコール → 思い出す習慣をつけよう
- 分散学習 → 復習のタイミングを工夫しよう
- 精緻的説明・インターリービング → 応用力を高めるカギに
- 親が一歩引いて、子ども自身の「考える時間」を守る
📘 参考書籍
『科学的根拠に基づく 最高の勉強法』
著者:安川康介
次回は、「忘却曲線を活用した学習スケジュールの組み立て方」について掘り下げていきます。ぜひフォローして最新記事をチェックしてください!
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